ついに登場しました! eliya の 4th アルバム、
人形の森 / サーカス小屋と天幕
です。
この 人形の森 / サーカス小屋と天幕につきましては、
今までの、1st アルバムから 3rd アルバムまでの eliya に比べ、アルバムの、
芸術作品としての水準が、異常なまでに磨きあげられ、高められています。
もちろん、録音の状態も最高です。
アルバムを聞かれた方は、少なからず、感ずるところ、考え込んでしまうところがお有りかもしれません。
『人形ってなんなんだ?』
『悪戯小僧って何?』
しかも、eliya が、この、一見、なんら関連性のないように見える、二つの作品・・・
人形の森 と サーカス小屋と天幕
との間に、なんらかの形で、関連性、結びつきを与えていたら・・・?
そう、実は、
人形の森 と サーカス小屋と天幕
の間には、ある結びつきがあったのです。
そこには、詩人・芸術家としての eliya の持つ、おそるべき才能、
そして、緻密な論理性が、込められているのです。
私もこの作品を聴いてみて、感じたことは、
『eliya って、何者だ?』
と、正直、驚きを隠せませんでした。
『人形の森』
この歌を聴いて、
歌詞にもある、
『人形とは、一体何なんだ〜〜〜!?』
という疑問にとらわれる方達は、少なくないと思います。
私自身も、その一人でした。
『人形』
様々なものを象徴していると思います。
神秘的な聖霊、愛や希望の象徴。
キリスト教でいうと、神様の御使でしょうか。
ただ、人形たちの世界と、人間たちの世界には、
まだまだ、大きな隔たりがあると思います。
なぜならば、人形を愛する人たちは、他の人の目を避けるようにして、
月例集会を開いているからです。
人形たちも、そう、
『密かに』
カーニバルを開いているように思えるからです。
実際に、人形の森に紛れ込んだ人間は、
まねき猫に引っかかれ、
クマのプーさんの棍棒でやられて、
この世に逃げて戻って行ってしまいました。
そこまで、人間の目を避けて、カーニバルに勤しんでいる人形たちですが、
そんな人形たちの、願い事は、何なのでしょう?
それが、
『人間の子供たちと、女の子たちと、仲良くすること』
なのだそうです。
これはちょうど、地上の人間のために仕え、神様の命令を遂行しなさい、
と、使命を与えられた、天使たちの、ささやかな願い、
希望を表しているのかもしれません。
それはどういうことかというと、
天使たちには、確かに自由意志があり、自らの判断で行動できますが、
彼らは、人間のような、
愛憎の感情を持ち合わせていないように、私には思えます。
つまり、天使たちは、赤ちゃんや動物のように、
人間たちに可愛がってもらうことにより、
初めて、『愛』というものを実感できるのです。
そういう意味では、天使たちは、『人形のように』無垢な存在なのかもしれません。
『人形』の描写を見て、私が思い浮かべたのは、まず、この点でした。
歌詞の
誰もが愛を与えられている
誰もが愛を感じている
という部分からも、天使たち、人形たちの、切実な気持ちが伝わってきますね。
人間を避けているはずの人形たち。
しかし、本来は、人間とともにあるべき存在なのかもしれません。
いつの間にか、人形の森にさ迷い込んだ人間にとっても、
朝までここにいさせておくれ
約束するよ、いつかこの森に戻ってくることを
という描写にあるように、
『人形の森』こそが、ある意味、理想の居場所、
人類にとっての理想の姿なのかもしれません。
プロケーブルサイトに掲載されている、お客様からの感想文では、
直接的に、神様への信仰をもとに、分析されていますね。
つまり、人類は誰にも強制されない自由意思によって、
神様への信仰に立ち返るべきである、ということです。
そのために、人類は、長い道のりを歩んでいます。
時には、神様から、遠く離れてしまった人たちもいらっしゃるでしょう。
神様に、忠実に信仰を捧げる人もいらっしゃいます。
しかし、それらは、すべて、人類の自由意思によって行われているのです。
人形たちのカーニバル、人目を避ける姿、
そして、人間の子供たちと仲良くしたいという、切ない希望。
誰にも与えられた愛。
まさに、人類が、本来立ち返るべき、神様への信仰の姿を描いているようです。
そして、人形の森の中に、小屋を作って、
人形たちの世話を始めることになった、おじさん。
このおじさんは、当初、希望を見失ってしまっていました。
しかし、森に打ち捨てられているかのように転がっている人形たちに出会って、
何か、天啓を受けたのかもしれません。
神様の思し召しでしょう。
神様は、このおじさんのような、
まるで、この世から捨てられてしまったかのような人に、
使命を与えられるのです。
おじさんは、
『君の夢を蘇らせる方法』
や、
『人形たちのささやかな願い事を叶えてもらう方法』
を、いろいろ考えるようになったのです。
その結果、生み出されたものが、
ぬいぐるみ!
というものなのですね。
この描写は、まるで、愛と信仰に裏打ちされた、メルヘンの世界です。
ぬいぐるみに宿った、人形たちの魂。
子供たちに可愛がられ、愛を注がれ、
そして、子供達も、人を愛することを覚えていく。
考えてみれば、うまい仕組みです。
そう、森の管理人になったおじさんは、神様の愛を説く、
伝道者のようにも見えます。
人形たちの、美しい世界、カーニバル
その夢から覚めると、天使達が降りてきて、
第7弦をつま弾きます。そして、レコードには、音が刻み込まれていきます。
そう、確か、ギターの弦の数は、6本ですね。
実は、この第 7弦という言葉にもあるように、
人形の森は、この世のものではありません。
人形の森は、我々の住むこの世と、パラレル・ワールドで、
つながっている世界なのです。
そして、まるで、地獄から、助けを求めるかのような声。
助けてくださ〜い
哀れんでくださ〜い
罪を許してくださ〜い
悲痛な叫び声が聞こえてきます。
そう、この叫び声こそが、この世の醜悪な仕組みの中で、
もがき、苦しんでいる、我々人類の声なのです。
人形って、なんなんだ〜〜〜〜?
この世の、ほとんどの人たちには、わからないことでしょう。
この世で悪魔のような苦しみを受け、
ただただ、その日を生きていくだけで精一杯の私たち。
そう、我々の住むこの世の、極限までに醜い姿、我々の苦しむ姿を、
ドラスティックにあぶり出したのが、
4曲目に収録されている、サーカス小屋と天幕、という作品だったのです。
なにはともあれ、この
人形の森 / サーカス小屋と天幕
は、eliya のアルバムの中でも、トップクラスのものでしょう。
そして、eliya の作品は、まだまだ、進化してゆくのです!
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